料理人の声から生まれたヒット商品

鮑会長語る1 廣記商行のオリジナル商品、赤い缶の調味料「味覇(ウェイパァー)」は、創業者である父・鮑 日明が、数多くの中国料理店とのお取引の中で、店舗オーナーや料理人の皆さんの話しを聞くうちに、発売へと辿り着いた商品です。複数の店舗を経営するオーナーからは「ベースとなるスープの味が、コックさんによって微妙に異なる。」という声を、料理人の方たちからは「スープの仕込みに時間がかかる上、大量の鶏ガラや豚骨の処理に困っている。」といった声を聞くようになりました。そんな悩みを解消するために発売されたのが「味覇(ウェイパァー)」なのです。はじめは業務用の商品でしたが、お店のスタッフから「便利で美味しいので、お店で使う分だけでなく、個人用にも分けて欲しい。」という要望が増えていきました。そこで当事、20kg缶のみだったものから、1kg缶を作ったところ、スーパーや百貨店にも並べてもらえるようになりました。その後、500g・250gの手ごろなサイズを作ったことで、広く一般家庭でも愛用していただけるようになりました。

 父は神戸生まれですが、中国料理店を営む祖母の影響や香港で暮らした経験もあり、幼い頃から歴史ある中国の食文化に触れて育ってきました。1953年に神戸・南京町で中国料理食材の店を創業したときは、家族経営の小さな店に過ぎませんでしたが、1970年の大阪万国博覧会にて香港館パビリオンのレストラン納入業者に、1981年の神戸ポートピア博覧会にて中国料理材料一括納入業者に指定されるといったチャンスをいただき、その大役をやり遂げることで、たくさんのお客様からのご支持を得て、現在では、東京・名古屋・京都・広島にも拠点を構え、一流ホテルや有名料理店、スーパーマーケット、調理専門学校などを含む約5000社とお取り引きいただけるようになりました。

味だけでなく本場中国の食文化や雰囲気まで伝えたい

鮑会長語る2 創業当初から今も変わらぬ企業理念は“悦びの創造”です。わたしたち廣記商行は配送を外部委託せず、ご注文を受けた営業担当者が自らの手で納品し、お客様と直接対話するようにしています。常にお客様の繁盛のために何が出来るかを考え、わたしたちの取り扱う1万を超えるアイテムの中から、より良いものを選んでお薦めしています。

 たとえば、春には暑い季節に先駆けて冷麺用のトッピングやタレをご紹介し、8、9月になれば翌年の御節料理の食材をご案内するといったように、季節やトレンドを先取りしたご提案ができるよう心がけています。神戸本社を会場に、新商品や注目商品を集めて行なう「廣記商行の展示会~基本は美味しい~」も毎年開催しています。

 また、“本場中国の味”を伝えることにとどまらず、お店のユニフォームをご提案することで“本場中国の雰囲気”を再現するお手伝いをしたり、南京町本店の2階では毎月12回の中国料理の教室を開いたりと、日本の食文化の向上と広がりに貢献できるような取り組みも行ってきました。中国料理食材を通じて日本の食卓をもっと豊にしたいという想い、そして食品卸の中でも“中国料理食材”に特化して深掘りしてきた歴史と実績を武器に、「中国料理食材・中国料理店のことなら、まず廣記商行に!」と頼っていただけるような存在になれたら嬉しいですね。

 今後も、お客様に寄り添い、お客様の繁盛のお手伝いに尽力し、悦びの創造と循環が実現できるよう、より一層の努力を重ねていきたいと思います。